夢幻通り商店街

2019年08月


木之本という町をご存知でしょうか?
滋賀県の北部に位置し、北国街道の宿場町として栄え、今も往時の賑わいを偲ばせる建物が数多く残っています。

滋賀県はもちろん近畿地方に含まれますが、JRは米原駅で東海道本線と北陸本線に分かれ、長浜方面は北陸本線になるので、長浜の市街地よりもさらに北へ行くと近畿地方でありながら北陸地方にいるような気分を味わえます。
ちなみに木之本からもう一駅北へ向かえば羽衣伝説が残る神秘的な余呉湖の近くにある余呉駅があり、その先の滋賀県最北端の近江塩津駅を過ぎると福井県に入ります。


このような北近江の静かな宿場町が、8月の終わり頃になると大勢の人々で賑わいます。
それもちょっとやそっとの賑わいではありません。

木之本には日本3大地蔵の一つと言われる木之本地蔵院があり、毎年8月22日から25日の間、木之本地蔵大縁日が行われると、駅附近から木之本地蔵院へ通じる地蔵坂商店街と北国街道の木之本地蔵院周辺が人と露店で埋め尽くされるのです。

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この時期には全国各地で地蔵菩薩の縁日、いわゆる地蔵盆の行事が行われますが、さすがに日本3大地蔵の一つである木之本地蔵の大縁日は凄い賑わいです。
今年は最終日の8月25日が日曜日だったので、例年以上の賑わいだったかも知れません。

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来るたびに思うのですが、来場者の若者率が非常に高く、浴衣を着た女の子はもちろん、派手な装いのギャルもかなり見かけます。
このような機会にギャルたちが菩薩の心に少しでも触れることが出来れば非常に素晴らしいことです。
まぁ、今は縁日の賑やかな雰囲気を楽しむだけでいいでしょう。
でも、やがて子を持つ親となり、その子を連れて縁日に来てお地蔵さまに感謝の気持ちを伝えることが出来れば素晴らしいことではありませんか。
そして、楽しくもちょっと切ない気分に包まれながら夏の終わりを惜しむというかけがえの無いひとときは、いつまでも忘れられない思い出となり、心を豊かにしてくれるはずです。

そのようなことを思いながら動画を撮影し、編集してyoutubeにアップしましたので貼り付けます。
今回のBGMは今年の冬に作った八幡堀まつりの動画にも使用した「水の祈り」です。



滋賀県の誇りと言うべき珠玉の名曲「琵琶湖周航の歌」
2年前の2017年は琵琶湖周航の歌の誕生100周年でした。
その時に別ブログで記事を書きましたので、まずはそれをそのまま貼り付けます。


今年は「琵琶湖周航の歌」の誕生100周年の年で、滋賀県内では様々な記念行事が行われています。

滋賀県で生まれた世界に誇れる名曲「琵琶湖周航の歌」ですが、その原型ができてから現在私たちがよく知っている形になるまでに様々な紆余曲折がありました。

1917年、第三高等学校(現在の京都大学)ボート部員の小口太郎さんが書いた詩を、他の部員が「ひつじぐさ」という曲のメロディに乗せて歌ったのが始まりだということについては随分昔からわかっていたそうですが、その「ひつじぐさ」という曲と作曲者の吉田千秋さんについては近年まで謎に包まれていたようです。


その謎が解き明かされてゆく経緯について少しでも興味を持たれた方は、是非こちらの三文楽士様のサイトをご覧ください↓

http://sunlake.org/music/biwako/index.htm

大変詳しく、そして音楽をやっている者にとって非常に興味深い話も書かれています。

ところで、この琵琶湖周航の歌ですが、実は今から20年前の1997年に自身のバンドWater Gardenでカバーしました。
その時は少しAORっぽい雰囲気にしようと思ってアレンジしましたが、偶然にも一部のメロディが原曲の「ひつじぐさ」と同じになりました。

そして、驚いたことに上記の三文楽士様のサイトに掲載されている「久米直之氏(昭5卒)記憶のメロディ」とよく似た形になっていたのです。
このメロディには現在の琵琶湖周航の歌よりも「ひつじぐさ」の名残が残っているのです。

私がバンドでカバーしたのは今から20年前、つまり琵琶湖周航の歌の誕生80周年のカバーでしたが、その時は80周年だということを知る由もありませんでした。


 今年は記念すべき誕生100周年、そして自分たちがバンドでカバーして20周年ということもあり、20年前の編曲に少し手を加え、メロディは「久米直之氏(昭5卒)記憶のメロディ」に忠実に・・・と思いましたが「志賀の都よ」の「よ」の部分のみ自分の編曲のコード進行に拘りたかったので加藤登紀子さん他、近年多くの歌手が歌っているメロディを採用しました。

各地で撮影した動画(歌詞に出てこない場所も多数)を編集して曲を乗せましたので是非ご覧ください。

と、このような記事を書いたのですが、それから2年の月日が流れました。
そして改めて、その時作ったカラオケに合わせて初音ミクさんに歌っていただきました。

今回は動画も新たに編集しました。
琵琶湖以外に昭和レトロ漂う場所も登場します。
そして、最後のほうで昨年運航を終了し、解体された初代の「うみのこ」が少しですが登場します。
ではどうぞ。


 
滋賀県でトップクラスのディープな場所である八日市の旧赤線地帯「延命新地」
今も往時を偲ばせる建物の一部が残ってはいるものの、やはり最盛期の賑わいを偲ばせる場所はあまり残っていないと言えるでしょう。

現在の街並みからは想像できませんが、昭和3年には映画館「バンザイ館」が延命新地に開館しました。
ちなみにこの映画館は後に火災で全焼後に改築されて昭和映画劇場となり、昭和30年には鉄筋コンクリート造で改築されて協楽映画劇場となりましたが現在は消滅しております。
この映画館があった場所は現在普通の住宅街になっており、往時の面影は全く残っていません。
場所は最近出来たビジネスホテル「ホテルルートイン東近江八日市駅前」の向かって左側です。


ところで、こちらのスナックの並ぶ路地ですが「弁天線」という名前が付いているそうです。

弁天線

延命新地には「弁天カフエー」という名のカフエーが存在したそうですが、この左側の建物はいわゆるカフエー建築っぽい建物なので、もしかしたら元々は弁天カフエーだったのかも知れません。

そして、この一角・・・
「リエ」「リカ」「リオ」が並んでいます。

三姉妹

私はこの通りを三姉妹通りと呼んでいましたが、最近リエさんが嫁がれたのか看板が無くなり、新たに別のお店が入られました。

この一番奥にあるリオは創業60年の老舗の居酒屋です。
60年前と言えば赤線が廃止された翌年ですが、建物はもしかしたら赤線の時代からのものかも知れません。
延命新地のお店と言えば高級料亭「招福楼」が全国的にも有名で、その起源は遊郭の始まりの頃にまで遡りますが、リオはもしかしたら現在も営業中のお店の中では招福楼の次くらいに歴史のあるお店なのかも・・・
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店内は改装はされているようですが、昭和の雰囲気が思いっきり漂っています。
私のような昭和好きにはたまらない空間です。
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そして、やはり何と言っても美味しいのです。
特に焼き鳥系が全て絶品です。
「せせり」と「かわ」は今までに食べた中で最高レベルです。
特にかわはパリッと感とジューシーさが絶妙なバランスで楽しめるのです。

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おでんも大根と里芋が最高でした。
本当に良い野菜を使っておられます。

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ぎんなんも美味しいです。
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そして、こちらの名物ねぎまです。
玉葱の焼き具合が絶妙で甘みがあります。
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お客さんは常連ぽい方が多いですが、若い方がけっこう多いです。
奥には座敷もあり、家族連れや団体客も多いですが、やはりこのお店は長年ずっと地元の方に愛され続けてきたのでしょうね。
きっと何代にも渡ってファンだという方もおられるでしょう。
そして現代のようにグルメサイトやSNSなどで評判が拡がる時代になり、私のような新規のファンも獲得してるんでしょうね。

さて、前回の記事にも貼り付けましたが、こちらの「かざぐるま」の動画を再び貼り付けます。
夜の弁天線、リオの店内も登場します。

※「かざぐるま」の動画はWGP feat.初音ミク名義で再編集し、2020年7月10日に新バージョンで再アップしました。
 

 
暑い日が続いておりますが、同じ暑さでも場所によって感じ方が違ってきます。
子供の頃の夏休みを思い出すような場所なら暑ささえ心地良く感じますね。
東近江市の八日市も私とってそういう心地良さが感じられる場所です。
そして、八日市は知れば知るほど奥が深くて魅力的な場所です。
その八日市の各地で撮影した動画を編集し、初音ミクさんに歌ってもらってMVのようなものを作りました。
曲のタイトルは「かざぐるま」です。

この「かざぐるま」を作曲したのはもうかれこれ23年前の1996年です。
作曲から20年を経た2016年のWater Gardenのライブで初めて日の目を見させてもらった曲ですが、歌詞が完成したのは2015年でした。
ちなみにサビの最初の部分だけは1996年の作曲当時にメロディと歌詞が私の頭の中で同時に出てきたのですが、それ以外はほとんどWater Gardenのギタリストkoji atouによるものです。
実を言うと作曲当時、私の頭の中にはこれと言ったテーマは存在しなかったのですが、2016年のWater Gardenのライブに向けていよいよこの曲に取り掛かるという時にサビに出てくる「かざぐるま」というタイトルと八日市が重なり、薄っすらとテーマが浮かびました。
それをkoji atouに伝えるとすぐに原案が返ってきて、その後は二人で細部を修正しながら歌詞を完成させました。
歌詞のコンセプトについては、あまり詳しくは述べませんが、キーワードを4つ挙げておきます。

「遊郭」「八日市飛行場」「反戦」「六道輪廻」

前の記事にも書きましたが、八日市にはかつて「延命新地」という遊郭があり、戦時中は軍事飛行場である八日市飛行場の兵士たちが昼夜問わず利用していたこともあって県内で最も賑わった歓楽街だったそうです。
そして、この動画に登場する沖原神社は八日市飛行場の中にありました。
兵士たちはこの神社に参拝してから戦地に向かったそうです。
境内には飛行場の正門の門柱が残っています。

その他にも八日市のいろんな場所が登場しますが、歌詞の内容と動画を合わせている部分はほとんどありませんので、まずは何も考えずにご覧ください。
では、どうぞ。

 ※「かざぐるま」の動画はWGP feat.初音ミク名義で再編集し、2020年7月10日に新バージョンで再アップしました。


今年もまたお盆を過ぎた頃には夏の終わりの感傷に浸ることになると思いますが、その頃にはまた夏まつりの動画を一つくらいアップしたいと思っております。



夏になると各地で夏まつりが開催されますが、昭和の風情が残る街の中で行われる夏まつりは本当に良いものです。
滋賀県東近江市の八日市で毎年7月末頃に開催される聖徳まつりも風情のある夏まつりなので今年も楽しみにしていたのですが…


予定されていた7月27日(土)は、残念なことに悪天候のため中止となりました。

ところで、聖徳まつりは今年で50回目になるはずだったのですが、ここでふと気になることが・・・


今年の第50回が中止になったということは、来年が第50回になるのだと思うのですが、この時期は梅雨が明けてもまだ天候は不安定で雨の降る確率が高い時期です。
もしかしたら過去にも何度か聖徳まつりが中止になったことがあったのでしょうか?

それがもし10回だとしたら、本来なら今年で60回目ということになるのですが・・・
まぁ、さすがにそれはないだろうとは思いますが、もし仮に第1回目が60年前だとしたら、その年は昭和34年です。

昭和34年がどういう年かといいますと、売春防止法により、いわゆる赤線が廃止された昭和33年の翌年です。

八日市の中心市街地には、かつて延命新地という名の遊郭がありました。
その遊郭が飲食店街に変わっていったのですが、今でも遊郭の時代の建物の一部がそのままの姿で残っています。

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しかし延命新地のエリアは年々普通の住宅街のような姿に変わりつつあり、かつてこの辺りに遊郭があったということが忘れ去られる時代になりつつあるような気がしておりました。


そのような中、延命新地地区街なみ環境整備事業と題して、官民一体となり、この貴重な財産と言うべき街並みを後世に残していこうという取り組みが始まっております。
これは非常に嬉しい話です。
ちなみに先日訪れた時には若い女性4人組が興味深そうにかつての遊郭の建物を見ながら歩いているのを見かけました。

久々に夜に延命新地を訪れてみると、このように祇園や先斗町を思わせるお店もあり、かつての雅な雰囲気が復活しつつあるようです。

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そして、この延命新地で60年前から営業されている老舗の居酒屋「リオ」に行ってまいりました。
建物はおそらくこの地が赤線地帯だった頃からのものだと思われます。
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こちらは玉葱のねぎまが有名ですが、何でも美味しいです。
昭和風情漂う店内にはけっこう若いお客さんもいて賑わっています。

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今年は残念なことに聖徳まつりは中止になりましたが、昨年撮影した動画がありますので貼り付けます。
夜の延命新地から見る花火は思いっきりノスタルジックです。



さて次回ですが、ここ数年の間に撮りためた八日市の動画を編集し、ちょっとしたMVのようなものを作っています。
ボーカルは久々に初音ミクさんに歌ってもらいました。
来週にはアップを目指しております。
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