夢幻通り商店街

2020年04月


明日からいよいよゴールデンウィークに入りますね。
私の住む滋賀県では、4月24日(金)から琵琶湖岸の県営都市公園の駐車場がすべて閉鎖されました。


さて、この情報はどの程度世間に知れ渡っているでしょうか?
特に、県外の人にしっかり伝わっているでしょうか?

これがしっかり世間に知れ渡っていないと、何も知らずに琵琶湖を訪れた人たちの車は行き場を失い、ショッピングモールやコンビニの駐車場に車が溢れることになるでしょう。
実際、ここ数日コンビニの駐車場で休憩している人が増えているような気がするのですが・・・


そして、イオンモールやピエリ守山など、大型ショッピングモールは食品売り場など一部の店舗を除き、当面の間、休業されるそうですが、基本的に入店は可能なので、行き場を無くした人で溢れかえるということがありそうだと思うのは杞憂でしょうか?
もし、そのようなことになったら、結果的には、県営都市公園の利用によって想定される被害よりも大きな被害が発生することを想像してしまいます。


では、今回の県営都市公園の駐車場閉鎖は間違っているのか?
と言うと、決して間違っているとは思いません。
問題は、それによって目的が果たされるか否かだと思います。
では、目的は何でしょうか?
公園の利用客を無くすことでしょうか?

違いますね。

当たり前のことですが、感染拡大を防ぐことが目的ですね。
では、公園の利用によって、なぜ感染が起こるのか?

まず、単純に人が大勢集まれば、それに比例して濃厚接触が発生する確率が上がります。
ただ、これに関しては屋外で常に開放された場所なので、屋内と比べれは、やや安全なはずです。
では、遊具など人が次々に触っていくようなものがあるか?と言えば、私の知る限り、そのようなものを見かけたことがありません(あったらごめんなさい)
人が次々触るものと言えばベンチとか、トイレくらいです。
では、このように閉鎖しなければならないほどの危険要素はどこに存在するのか?

私は公園で、団体によるBBQなど、宴会のようなことが行われる可能性があるということが、最大の危険要素なのだと思います。
BBQなどが行われたら、人と人との距離の問題だけでなく、食べ物や飲み物を介して間接キス状態になることがあります。
また、食器を介して手と手のふれあいが発生することもあるでしょう。
つまり、公園の危険要素は、ちょっと深い階層にあると考えられるのです。
このような感じでしょうか↓

1層目:公園に入る→危険なし
2層目:公園で散歩や軽い運動をする→危険なし
3層目:公園のベンチやトイレを利用する→「公園だから危険」という特別な要素はない
4層目:いつも家で一緒に過ごしている家族と公園で過ごす→「公園だから危険」という特別な要素はない
5層目:仲間と集まって公園でBBQなどの宴会をする→「公園だから危険」よりも仲間同士が濃厚接触することが危険


このように5層目にある危険を、駐車場の閉鎖という方法で1層目で遮断して、感染拡大を防ごうとしているのだと思います。
本来なら、利用者が節度をわきまえた行動をすれば、公園は開放しても大丈夫だと思います。
しかし、それをするには公園一つ一つに監視員を配置するくらいのことが必要になるでしょう。
そのようなことをしていたら莫大な費用がかかってしまうので、結局は閉鎖するというのが得策ということになってしまうのかも知れません。

ただ、最初にも書いた通り、琵琶湖岸の県営都市公園の駐車場がすべて閉鎖されているという情報が、どの程度世間に知れ渡っているのか気になります。
特に、県外の人が、それによって滋賀を訪れなくなるほどの効果があるのか気になります。
それが出来なければ、どこかにしわ寄せが来ると思います。

まず、湖岸の公園のトイレが利用できないというのはちょっと危険な気がします。
我慢できなくなったら路上駐車してでもトイレを利用する人がいるでしょう。
あるいは、そういう人たちが湖岸沿いのコンビニに続々と流れてきて、コンビニでクラスター発生という最悪の展開も予想されます。

また、湖岸の駐車場はちょっと車を止めて携帯電話を操作したり、少し仮眠をするのにも便利な場所です。
そのようなことができなくなるしわ寄せが、交通事故など最悪な形で起こらないよう祈っております。




ここしばらく、いつも天地真理ちゃんのことばかり書いていたので、私をよく知る人からは「あいつ何を血迷ってるんや?」と思われてるかも知れませんね。
なので今回はちょっと話題を変えて新型コロナウイルスのことを書きます。
ニュースによりますと・・・


新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は4月22日、緊急事態宣言で目指す人との8割の接触の削減ができていないとの認識の下、「人と接触機会を減らす、10のポイント」を具体的にイラストも交えて提示した。


とのことです。


で、どのような内容か見てみると、かなり突っ込みどころが多い気がしたので、一つずつ突っ込んでみます。

1.ビデオ通話でオンライン帰省
うちのおかん、親戚のおばさんたちはパソコンなんて触れません。
多分これ考えた人は、自分の常識は世間の常識だと思うタイプの人かも知れませんね。

2.スーパーは1人または少人数ですいている時間に
スーパーの最大の危険ポイントは、不特定多数の人が商品に「触れて戻す」ということだと思われます。
他には自動レジの画面など・・・
まずは無闇に商品に触れないことを一人一人が意識し、触れたら責任を持って買うようにすること、そして、スーパーの入り口に消毒用のアルコールが設置されている場合が多いので、入店前と退店時に使用することを徹底すれば、かなり高い確率で感染を防げると思います。
単純に人数が減れば、それに比例して感染の可能性も下がるような気がしますが、危険のポイントを明確にしないとスーパーはスケープゴートにされているだけで、あまりリスクは減らないと思います。

3.ジョギングは少人数で、公園はすいた時間、場所を選ぶ
ジョギングは間隔を開けて仲間と濃厚接触しなければ危険は少ないでしょう。
それより公園は空いている時間であってもベンチや遊具にウイルスが残っている可能性が大です。
それを触れた手で子供が鼻をほじったり鼻くそを食べたりしたら高い確率で感染するでしょう。
親はそれを意識して子供の動きをしっかり監視するべきですね。

4.待てる買い物は通販で
まぁ、これは実店舗を利用するよりリスクは減りますが、場合によっては通販のほうが梱包も含め多くの人の手が触れているので危険とも考えられます。
て言うか、運送業者の仕事が劇的に増えそうですが、あの方たちは、コロナ騒動以前から人手不足の中、低賃金で必死で働いておられます。
人として見ていないということでしょうか?

5.飲み会はオンラインで
したい人はどうぞ。

6.診療は遠隔診療、定期診療は間隔を調整
それで済むならどうぞ。

7.筋トレやヨガは自宅で動画を活用
自宅で出来るレベルのトレーニングなら自宅でどうぞ。
人とのふれあいを目的にジム通いしている人は我慢するべきかも知れませんね。

8.飲食は持ち帰り、宅配も
店主の顔の見える個人店や、教育をしっかりしているチェーン店などはコロナ対策をきっちりやっておられると思うので、感染の原因は、ほぼ間違いなく客側にあります。
客が唾を飛ばさない、テーブルの上など前の客の唾が付いている可能性のある場所を触れない、マスクをして入店し、マスクを外して食べている最中は会話をしないなど、危険のポイントをおさえて行動すれば飲食店はそんなに危険な場所ではないはずです。
今のままではスーパーと同じく飲食店もスケープゴートにされていると思います。

9.仕事は在宅勤務、通勤は医療・インフラ・物流など社会機能維持のために
それで仕事が回るという方ならどうぞ。
建設現場の何割かは、このご時世であっても、ゴールデンウィーク中もフル稼働します。
ちなみに県の公共工事も私の知ってる現場は現在フル稼働中です。
さらに滋賀や京都の工事現場に大阪の職人さんが大勢入って仕事をしておられます。
このような状況には目を瞑り、飲食店や小売店など叩きやすい業種が叩かれているというのが実情です。
自粛自粛言いますが、出来るものならしたいという方が大勢いるのではないでしょうか。
仕事を休んでのんびり犬の世話が出来る人ばかりではありません。

10.会話はマスクをつけて
マスクの効果を知らない人が多いようです。
マスクは会話や咳、くしゃみなどで唾が飛ぶのを防止することにより、相手に感染させない効果が期待出来るのであって、相手が飛ばすウイルスから自分を守る効果はあまり期待できません。
それを国民全員にしっかり周知させるほうがアベノマスクの配布よりも効果的だと思います。


あと、ついでにもう一言付け加えさせていただきますが、新型コロナウイルスに感染した可能性を感じた時に、一番最初にするべきことは、各都道府県の「帰国者・接触者相談センター」に「電話」で相談するということですが、それをせずにいきなり医療機関を直接訪れ、受診する人が多くいるようです。
ちょっと気になったので滋賀県における4月23日発表までの感染者92人を分類してみたら以下のようになりました。


・まず最初に「帰国者・接触者相談センター」に連絡した人 12人(内2名は海外旅行帰り)
・感染者の濃厚接触者のため即PCR検査を受けられた人 31人
・不明の人 19人
・いきなり医療機関を訪れた人 30人

と、このような内訳でした。
何と30人もの人がルール違反して院内感染を引き起こすリスクのある行動をしています。
そして、88人中、濃厚接触者を除き、自ら正しい行動をしたのは12人だけでした。
但し、その12人の内の2人は海外旅行帰りの人でした。
3密とか自粛とかも大事ですが、このような院内感染の原因を作りそうな人が高い割合で存在していることへの対策を大至急講じるべきではないでしょうか。


思うのですが、この「帰国者・接触者相談センター」という名称が、海外旅行帰りの人のみ対象になっていると勘違いされる原因になっていそうな気がします。
普通に「新型コロナウイルス相談センター」とかのほうがわかりやすくていいと思いますが、今さら変えるのは何かと大変なのでしょうか。
インターネットのような自分から進んで検索しないと情報が得られないような場ではなく、テレビなどで「まずは帰国者・接触者相談センターへ相談!」ということを、しっかり伝えるべきだと思います。

そして、滋賀県では「滋賀5分の1ルール」というのが制定されましたが、行動を5分の1に減らしたら、単純に感染者も5分の1に減るのでしょうか?
そんな単純なものだと思えないんですが・・・
て言うか、5分の1で喜んでいてはいけませんね。
このような状況になってしまって、出来ることからコツコツと、という考え方になるのも仕方ないとは思います。
しかし、何となくお上の姿勢が学生っぽい感じがしてなりません。
学生の勉強なら100点を目指さなくてもいいし、得意分野に集中して成績を伸ばすのもいいでしょう。
しかしコロナ対策をそれに近いノリでやっていてはダメだと思います。
人の命が懸かっているのです。

 
4月10日(金)の読売新聞に天地真理ちゃんの記事が載ったそうです。
画像はネット上から拝借しました。

新聞

こうして新聞記事になるくらいですから、世間の真理ちゃんへの注目度はますますアップしていると思われます。

内容的には「真理ちゃんとデイト」が現在、衛星劇場で再放送中ということ、そして4月13日(月)放送回に沢田研二さんが出演されているということが書かれています。
新聞記事には少しですが真理ちゃんのコメントも載せられており、当時を振り返って「昔からファンだった沢田研二さんと共演できたことはうれしかったですね」と述べられています。

このように沢田研二さんのファンだったと仰った真理ちゃんですが、アイドル時代には噂になったこともあったそうです。
これについて真理ちゃんは、長年に渡り事実無根であると一貫して否定し続けてきました。
しかし、実は2013年の週刊新潮のインタビューで、このように語っておられました。

「ずっと片思いの人はいました。沢田研二さん。テレビの収録で何度かご一緒させていただいたんですが、雰囲気がピリピリしていらして、こちらから話しかけることも、向こうから話しかけられることもなかったですよ。」

そして・・・

「仕事が終わって夜、家に帰るでしょ。沢田さん、今ごろ何しているのかなって想像しながら寝ていました。今もかっこいいと思います。もし会えたら、きれいな声で歌われていますね。と言いたいですね」

と、語っておられました。

この「きれいな声で歌われていますね。」という一言が、なんと言いましょうか、グッとくるものがあります。

その後、この二人が再会したという話は聞きませんが、いつの日か再会し、真理ちゃんがその言葉を伝え、二人がどんな言葉を交わすのか・・・
そんな場面を見てみたいです。


さて、またまた「真理ちゃんと、ヘビーメタル」の新作をアップしました。
今回は代表曲のひとつで、沢田研二さんと真理ちゃんが共演された映画の主題歌でもあります。
実は間奏部分で映画の場面を少し挿入しました。
ここで真理ちゃんが沢田研二さんの腕にタッチする場面があるのですが、上に書いた2013年の真理ちゃんのインタビューを読んでから改めて見てみると、何となく真理ちゃんは遠慮気味にタッチしているように見えてしまいます。

そして・・・
今回のアレンジ及び動画編集は、今まで以上に悪ふざけが過ぎました。
まぁ曲のタイトルに因んでいるとは言え、さすがに怒られそうです。


 
コロナウイルスがますます猛威を振るっておりますが、こんな時こそじっくりパソコンに向かって文章を書くことにしましょう。

と言うわけで、今回も天地真理ちゃんです。
ひとりじゃないのS

ここ最近、天地真理ちゃんのことばかり書いていますが、この人の人生からは本当にいろんなことを考えさせられます。
真理ちゃんが歩んできた人生を映画化すれば、きっと「全米が泣いた」になるでしょう。


さて、前回の記事の最後の方にも書きましたが、今回は1977年に芸能雑誌等で囁かれた「天地真理発狂説」に触れます。
と言いつつ、正直なところ、これって触れていい問題なのか悩むところです。
実は、今回の記事を書くにあたり1979年にエール出版社から発行された「タレント残酷物語(著者 竹中 労)」の「終章 真説・白雪姫哀話 天地真理発狂説の真相」を参考にさせていただきました。
この本は随分前に絶版になっていると思われますので、今更ここで蒸し返すべきではないのかも知れません。
しかし、この本が書かれた1979年は、まだまだ精神疾患に対して酷い偏見があった時代です。
だから私は「天地真理発狂説」を現代的に解釈し、可能な限り正しく理解するべきだと思ったのです。
そして・・・
そうすることによって見えてきたのは、20代前半の女の子の、ひとりぼっちの孤独な戦いでした。


と言うわけで本題に入ります。
天地真理ちゃんは1977年の初頭、病気の治療のため芸能活動を休止しました。
病名は甲状腺機能障害とのことでした。
それからしばらくして、週刊誌等に「天地真理発狂説」との見出しが載りました。
それにしても、この「発狂」という表現は如何なものかと思いますが、これが当時の精神疾患のイメージだったのでしょうか?
今風に正しく書けば、真理ちゃんは精神疾患の治療のため芸能活動を休止したのでは?という噂が流れたのです。
実際のところ、これは事実のようです。
Wikipediaにも記載されていますが、近年のインタビューで「本当は人気がなくなってきて、寂しくなって、鬱病になっていたんです」とご本人が語っておられました。
そして、これは先にも述べた「タレント残酷物語」という本に書かれている話ですが、真理ちゃんは鬱病の治療のために入院した病院を退院後、山奥のお寺に1ヶ月間籠っていたそうです。
そうして、ゆっくり時間をかけて心を浄化していたのでしょう。

思えば、真理ちゃんはデビュー当時からずっと、過労やストレスと戦い続けてきたはずです。
雁字搦めに管理され、自由な時間など全く無かったでしょう。
白雪姫というイメージの下、歌う曲はもちろんのこと、そのキャラクターの細部に至るまで渡辺プロダクションの意向で作られたものでした。
では、そこに自己表現などは、まったく入る余地が無かったのでしょうか?
1970年代のアイドルの多くが結婚などを機にすんなり引退したのは、アイドルという仕事に自己表現がほとんど入っていなかったからだと思います。
つまり、売れても売れなくても、本人は周囲の意向に従っただけなので、喜びも悔しさもあまり大きなものではなかったと思うのです。
では、天地真理ちゃんはどうだったのでしょうか?
考えてみれば、彼女は国立音楽大学附属高校声楽科を卒業し、アマチュア時代にはヤマハのポプコンに出場するなど、純粋に歌手として自分を磨き上げてきた人なので、歌に関しては大きな熱意やプライドがあったはずです。
だからこそ、特にライブでの彼女の歌唱や歌う姿は心に強く響くものがあります。
私の想像では、彼女は与えられた曲を周囲の期待に応える形で消化した上で、自分の歌として昇華していたと思うのです。
これは、ある意味、非常に高い次元での自己表現だと言えるでしょう。


このようにデビュー当時から歌手として、芸能人として頑張り続ける日々だったと思われますが、当時の週刊誌等には彼女に対する誹謗中傷が度々書かれていたそうです。
有名な話なのでご存知の方もおられると思いますが、高校卒業からデビューまでの一時期にソープ嬢をやっていたとの噂が流れたことがあったようです。
2003年のテレビ出演時にこの話題が出た時、真理ちゃんは「19歳で何も無かったのに、泣きましたよ・・・」と答えていました。
そして、このような根も葉もない誹謗中傷は単に彼女個人に対する攻撃というだけではなく、彼女が所属していた渡辺プロダクションへの攻撃でもあったのではないでしょうか?
そうだとしたら、真理ちゃんは自分のためだけでなく、魑魅魍魎が蠢く芸能界の勢力争いの最前線で戦っていたことになります。

このようなことから考えても、彼女はかなり早い時期から精神を患っていたのではないか?と想像します。
おそらく人気が急落した1974年の時点では何らかの症状が出ていたのではないでしょうか?
彼女は1972年から1973年の間、過去に例を見ない超アイドルに昇り詰め、そして僅かな期間で転落するということを経験しました。
その落差は、芸能人史上トップクラスだと思います。
ちなみにこの落差は数字になって現れており、アイドル雑誌「明星」の1973年の人気投票で真理ちゃんは1位を獲得し、得票数は145,846票でしたが、翌年の1974年には7位に転落し、得票数は26,562票でした。
何と1年間に明星の読者の間で119,284人ものファンが彼女から離れていったのです。
様々な要因が重なった結果だったのかも知れませんが、あまりにも残酷な数字です。

私は、この真理ちゃんの人気急落と、有名な「渡辺プロ事件」に何らかの因果関係があるような気がしてなりません。
1973年の春、新たなアイドルを次々に生み出していた日本テレビの人気オーディション番組「スター誕生!」に対抗するため、渡辺プロダクションがNETテレビ(現・テレビ朝日)と組んで「スター・オン・ステージ あなたならOK!」を企画し、その放送日時を日本テレビの「NTV紅白歌のベストテン」にぶつけ、さらに渡辺プロダクションは日本テレビに対して「NTV紅白歌のベストテン」放送日時変更を迫り、それが出来ないなら「NTV紅白歌のベストテン」にうちのタレントは出演させないと通告したそうです。
これに対して日本テレビは、渡辺プロ以外の全芸能プロダクションからの全面協力を得た上で真っ向から挑戦を受け、結果的に勝利しました。
これにより、渡辺プロダクションの勢力は一気に弱まり、ホリプロ、バーニング、サンミュージックなどが勢力を伸ばしました。
明星の1974年の人気投票を改めて見てみると10位以内に入っているのは、真理ちゃん以外すべて渡辺プロダクション以外のプロダクションに所属しているアイドルでした。
つまり「渡辺プロ事件」によって勃発した「渡辺プロダクションvs日本テレビ+その他のプロダクション連合軍」の最前線で真理ちゃんは孤軍奮闘していたことになるのではないでしょうか。

この頃の真理ちゃんの精神状態が、かなり悪い状態だったということを示すエピソードが残っており、ソースはネット上の某掲示板なのですが、1974年の夏、とある生放送番組に出演していた真理ちゃんは、何の脈絡もなく客席に向かって「私は、いつまでも、みんなの真理ちゃんでいたいの」と言って周囲を困惑させたそうです。
時期的には多分、明星の人気投票の中間発表の後だと思われるので、そのショックがあったのかも知れません。
そして、当時の真理ちゃんは新人アイドルたちに冷たく接していたらしいです。
周りは自分と違う事務所のアイドルばかりなので敵視しても仕方ないとは思いますが、この件について後に「あの頃、みんなと仲良く出来ていたら、私にも友達が出来て幸せになれたのに」と当時を悔やんでいたそうです。


このような辛い1974年が終わり、翌1975年になるとミュージカルに主演するなど、歌手としてさらなる成長を遂げますが、ファンは離れていく一方でした。
「タレント残酷物語」によると、その原因の一つは、プロダクションによる彼女のイメージチェンジの戦略ミスによる迷走だったようです。
白雪姫から卒業させ、大人の女性として脱皮させるために本人の意思とは無関係にテレビやラジオで下ネタトークをやらせたりして新境地を開拓しようとした結果、ファンが離れていくばかりという最悪な状況に陥っていたようです。
そんなイメージチェンジなんてどうでもいいから、普通に歌手として成長させてあげられなかったのでしょうか?
で、このような状況の中、真理ちゃんの精神はどんどん蝕まれていったのだと想像します。
そして「タレント残酷物語」によると、1977年、鬱病を発症して芸能活動を休止した彼女の息の根を止めるかのように、彼女の身近にいた某人物が「彼女の人気が落ちた原因は会社の方針に従わなかったから」というようなことを言い、それに同調した女性週刊誌は「歌手であり、スターであるためには、常に大衆に向かって実像は隠し、虚像だけを見せていなくてはならない。こうした約束を大衆のアイドルであるべき歌手が、自らの手で破ったとしたら、どんな結果になるか説明の必要もないだろう」という文章を載せたそうです。
つまり、真理ちゃんの人気が落ちたのは、すべて真理ちゃんの所為であるということにされたようです。
このような状況で、精神を患わずにいられるでしょうか・・・

鬱病は、いわゆる慢性疾患に近いものであり、一度発症すると完治は不可能で、ストレスなどを受けるたびに再発を繰り返す場合があるようです。
ボクサーのパンチドランカーに通じるものがあるかも知れません。


1972年の6月に発売された2ndアルバム「ちいさな恋/ひとりじゃないの」に「ひとりぽっちの私」という曲が収録されています。
自分のことを人形だと思いながら、それでもファンのために歌い続けるという思いを歌っていると解釈できる曲です。
歌詞に出てくる「白い夢」とは白雪姫を演じるということでしょう。
アイドルとしてこれから快進撃が始まるという頃に、まるで数年後に真理ちゃんが置かれる状況を予見していたかのような歌詞の内容です。
その後、多くのファンが去っていきましたが、それでも真理ちゃんは精神を患うまで歌い続けました。

かつて日本中を笑顔で包みこんだ白雪姫の物語は、実はひとりの若い女の子の孤独な戦いだったのでしょう。

と言うわけで「真理ちゃんと、ヘビーメタル」第3弾は「ひとりぽっちの私」です。
今回の動画は、冒頭に渡辺プロダクションの創業者で、天地真理ちゃんに白雪姫のイメージを徹底させた渡邊晋のドキュメンタリー映像「NHKドキュメンタリー 時代をプロデュースした者たち3 芸能プロデューサー渡邊晋」の一部を挿入しました。



 
いつ終わるかわからないコロナ騒動の真っ只中、ニュースなどを見ていてもコロナ一色という感じですが、ブログでコロナ関連以外のことを書いても誰にも迷惑はかからないので、今夜は精神疾患関連の記事を書きます。

鬱病などの精神疾患は「現代病」などと言われていますが、実際にはずっと昔から存在している病気です。
て言うか、そもそも現代というのはいつ頃からなのでしょうか?
やはり平成以降ということになると思いますが、精神疾患が誰でもなり得る脳の病気として認識されるようになったのも平成以降だと認識しております。
では昭和40年代後半~50年代前半、つまり1970年代はどうだったでしょうか?


実は1970年代において、精神疾患の世間の認識がいかに偏見に満ちたものであったかが伝わってくるアニメが存在します。
この動画をご覧ください。


これは1974年に放映された「チャージマン研!」というアニメのシリーズ屈指の有名な回であり、現代では間違いなく放送不可能な内容です。
まずサブタイトルの「恐怖!精神病院」ですが「精神病院」という呼称は現代では「精神科病院」と改められ、一般的にはメンタルクリニックと呼ばれることが多いようです。
それは、かつての精神病院が危険な精神病患者を世間から隔離する施設というイメージがあったので、近年になり、その間違ったイメージの払拭が図られたのだと思います。
1970年代の精神病患者のイメージは、このアニメの序盤に登場する男たちのような危険な人というイメージが強かったのではないかと推察しますが、このアニメでは精神病患者だけでなく精神病院の院長までが異常な人間です。
つまり、精神病院を「悪」として描いているのです。
ヨーロッパの半分(!)を潰せるミサイルを地下で極秘で作っていたということですが、それを精神病院の地下に設定することに何ひとつ必然性があるとは思えません。
考えれば考えるほど酷い話です。
このようにとんでもない偏見に満ちた内容ですが、このアニメ「チャージマン研」が放映されたのは1974年です。
当時は、このように「精神病院は危険な人がいる所」という考え方が普通だったのかも知れません。


さて、本日は突然このような内容の記事を書きましたが、実は今回の記事は次回の前振りです。
本当に書きたいことは次回の記事で書こうと思っていますが、その前に1970年代における精神病院及び精神疾患の世間のイメージについて触れておきたいと思ったのです。

このアニメ「チャージマン研!」が放映された頃から3年後の1977年の初頭、かつて白雪姫と呼ばれた伝説のアイドル、天地真理ちゃんが甲状腺機能障害という病気のため入院し、無期限の長期休暇に入りました。
しかし、実際にはこの甲状腺機能障害という病名は真理ちゃんのイメージダウンにならないために付けられた仮の病名だったようです。
真理ちゃんの入院先などは一切公表されず「失踪した」「消息不明」などと伝えられていたそうです。
そして、1977年の終わり頃になると「天地真理発狂説」というのが雑誌などで囁かれるようになりました。
次回はこの辺りに触れつつ、以前から予告していた「真理ちゃんと、ヘビーメタル」の第3弾を貼り付けます。

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