アキラ系3連発、ラストは滋賀県草津市の「ラーメン藤 矢橋店」です。
このお店に初めて伺ったのは確か20年ほど前でした。
とある音楽仲間と「ラーメン食いに行こう」という話になり、その人が第一旭のファンだったので、近いタイプのラーメンが食べられるはずだと思って、たまたま通りかかった「ラーメン藤 矢橋店」を訪れました。
これが正解で、私も、その音楽仲間も大変満足しました。
それから約3年後の2004年頃、私は当時所属していたバンドで草津市のマスタッシュというライブハウスに時々出演させて頂いておりました。
このライブハウスのマスターがラーメンの歴史に詳しい方で、特にアキラ系に関しては第一旭の誕生の頃のことも教えて頂きました。
余談ですがマスターがライブハウスで出すために考案したラーメンを試食させて頂いたこともありました。
で、このマスターが「ラーメン藤 矢橋店」を絶賛していました。
「あの店のラーメンからは気合を感じる」と仰っていたのを昨日のことのように憶えています。
それからしばらくしてマスタッシュは閉店されました。
確か2006年だったと思います。
それからまた月日が流れ、2010年頃に仕事でたまたま近くへ来たので昼に「ラーメン藤 矢橋店」を訪れました。
ちなみに、この時で5年ぶりくらいの訪店だったと記憶しております。
この頃の私はブログにラーメンの記事を書いたりしていたので、ラーメンマニアにそこそこ磨きがかかっておりました。
で、久々に矢橋店のラーメンを食べてみたところ、間違いなくラーメン藤のテイストですが、少し味が薄いような印象を受けました。
私が頻繁に訪れていた野洲店と比べると、ちょっとあっさりした印象を受けたのです。
美味いけど、中毒性は弱いかなぁと感じ、それ以降、数回立ち寄りましたが、ラーメン藤と言えば野洲店か物部店へ行くことが多かったです。
ちなみに野洲店が2018年に閉店したので、最近はラーメン藤に行くとしたら物部店一本になっておりました。
しかし・・・
最近、たまたまネット上の某所で矢橋店に関する情報を目にしました。
その情報の内容については書きませんが、味が落ちた可能性を感じさせる情報だったので、気になって行ってみることにしました。
実に10年以上ぶりの訪店でした。
そこそこ満席に近い状態で賑わっていました。
この雰囲気は他店では味わえないですね。
そして、メニューの名前や、ポップに書かれたメニューの説明がかなりユニークで、私はこういうのが大好きです。
この「限定4、5食」というのを見て「4食なのか5食なのかどっちやねん!」と思うか「このゆるさがええわぁ」と思うか・・・
心の豊かさレベルがわかると思います。
こちらの注意書きもかなりユニークですね。
私はこういうのが大好きです!!
で、肝心のラーメンなのですが・・・
醤油ラーメンと小ライスを注文しました。
定食でなくても、このようにお盆に乗せての提供になります。
当たり前のことかも知れませんが、お盆がとても綺麗です。
そして、まずはスープを一口頂きました。
「!」
そうです・・・確かにこの味です。
他のラーメン藤と比べて、と言うか他のアキラ系ラーメンと比べて、やや薄く感じる味です。
しかし・・・
豚骨や豚肉の旨味がしっかり抽出されています!
しかも妙なクセはなく、純粋に旨味が抽出されており、それをタレが引き立てています!
そして、麺の茹で具合も個人的には絶妙だと思えました。
アキラ系にしては、やや硬めに茹でられています。
麺はラーメン藤なので当然、おなじみの近藤製麺の中細ストレートですが、この麺の風味がスープによって引き立てられているのです。
そうです。
他店と比べてちょっと薄味だと感じられるスープにより、麺の美味さも引き立てられているのです!
こう言っては何ですが、アキラ系のラーメンの多くが、一番美味く感じるのが最初の一口です。
しかし矢橋店のスープは食べ進むにつれてどんどん美味くなっていきます!
体に悪いと思いつつ、気が付けば完飲してしまうようなスープです。
この絶妙なバランスを見切るには優れた味覚と高い集中力が要るのではないでしょうか。
このメニューは、実は10年ほど前にも頂いたことがあり、絶品のトロトロチャーシューから染み出す味がスープに溶けて非常に美味かったことを憶えていました。
今の私の味覚なら、どう感じるでしょうか・・・
やはり素晴らしく美味いです!
これぞ、真に正しい方向へ進化したアキラ系と言えるでしょう!
正直言いますと、10年前に食べた時よりも美味く感じたと思います。
そして、この美味さに辿り着くには職人の技術だけではなく心も必要になるでしょう。
そして温かい雰囲気の漂う店内、ユニークなポップや注意書きからも、客を楽しませたいという「愛」を感じます。
もう随分昔、草津市に存在したライブハウス、マスタッシュのマスターが仰っていたこと・・・
「あの店のラーメンからは気合を感じる」
それが、ようやく理解できるようになりました。